BUMP OF CHICKENとめうめう

BUMP OF CHICKEN 歌詞解釈とか創作、趣味についてのブログです。

BUMP OF CHICKEN ウェザーリポート 歌詞解釈

久々の更新です。
今回は「ウェザーリポート」の解釈をしていきたいと思います。
ウェザーリポートはカラオケに行ったら絶対歌うバンプ曲の一つです。
サビでいきなり高くなるところがめっちゃ難しいですけど(笑)


「雨上がり差したまんま 傘がひとつ
決まり通り色を踏んで 濡らした紐靴
マンホールはセーフね 帰り道で
いつも通り傘の中 笑顔がふたつ」

私は二人の登場人物が出てくる話だと思ったのですが、他の方の解釈を見るとあなた=自分説で展開されてる方もいらっしゃいましたね。なかなか興味深かったです。

主人公達は小学生が下校時によくやるようなゲームに興じていますね。
私も子供の頃は白線だけを踏んで帰る、みたいなのをやってました。

傘が一つなのは傘を忘れたからか、ゲーム中のルールだったからか分からないですけど。ただこの傘からは何かのメタファーなんだろうなという匂いがします。

傘の中で笑顔がふたつ、それがいつもどおりの風景のはずなのですがこの歌詞以降明確に二人が相合傘をしている事が分かる表記がないので、あなたに起こった事件が二人の関係にも変化をもたらしてるのかなぁと思ったり。


「何も言えないのは 何も言わないから
あんな事があったのに 笑うから」

あんな事とはあなたに起こった悲しい出来事なのでしょう。
あなたが本心を見せて弱音を吐いてくれればなんとかしてあげたいのだけれど、何も言わずに笑うから主人公は何も言えないという状況でしょうか。


「あなたの その呼吸が あなたの心はどうであれ
確かに続く今日を 悲しい程 愛しく思う」

呼吸=生命と捉えるのが良さそうです。
今まで傘の中で一緒に楽しい気持ちを共有し、大げさに言うとお互いの気持ちを分かりあっていた彼らですが、ここで主人公はあなたの心が分からなくなっています。

傘=あなたの本心を隠すヴェールと捉えると今までは傘の内側にいられた主人公が傘の外に出た事であなたの本心が分からなくなったということですかね。

そしてあなたがどう感じているかは分からないけれど、あなたが辛い中で確かに今日も生きている事をとても愛しく思う。と続けています。

「いつもより沈黙が 耳元で騒ぐ
次に出る言葉で 賭けをしている様な
夕焼けに差したまんま 傘がひとつ
見慣れた横顔 初めて見た様な」

お互いがお互いを気づかい、向こうがどう出てくるか読み合っているうちに沈黙になってしまい、それが気になってしょうがないという感じかな。

ゲームが終わり夕日が差してきた後も傘をしまわずに差したままのあなた、主人公が傘の内側を覗いてみると見慣れたあなたの横顔がなんだか他人の様に思える。
きっと主人公があなたの本心を垣間見た瞬間の話だと思うのですが、今まで主人公が持っていた「あなたのイメージ」からは想像出来ないようなものだったためこのような表現になったのかなと。

横顔という点から多分あなたは見られていたことに気づいてなかったのだと思います。
気づいてないうちに少しだけ漏れた本心を主人公はちゃんと見ていたわけですね。


「傷付いたその時を 近くで見ていた
この目の前でだって 笑おうとするから」

ここは、辛い出来事があった瞬間を主人公が目撃していたと捉えるよりは
「この子はきっと傷つけられた瞬間もこんな風に笑おうとしてたんじゃないかな」
と考え、傷つけられた瞬間を見ているように感じたと捉える方がいいのかなと思いました。


「あなたの その笑顔が 誰かの心を許すなら
せめて傘の内側は あなたを許して どうか見せて欲しい」

あなたは傷つけられた瞬間でさえ加害者を責めず笑顔を作ろうとしました。
それは多分、あなたが被害者であるとともに加害者である、と自己認識していたからなのかなと思います。
「こうやって傷つけられても仕方ない理由が私にはあるんだ。」
と自分を責めている節がありそうだなと。

だからこその傘の内側(あなたの本心)はあなたを許してあげてほしい、そして本心を僕にも隠さずに見せてほしい。という歌詞なのかな。


「触れないのが思いやり そういう場合もあるけど
我ながら卑怯な言い訳 痛みを知るのがただ怖いだけ」

この部分は主人公が「何も言えないのは何も言わないから」と言った理由に当たるところかなと。


「最終下校時刻の チャイムが遠く
車屋の前の交差点で また明日 じゃあね
国道の川を渡って やっぱり振り向いたら
マンホールの上に立って 傘がくるくる」

そしてまた二人の下校時間がやってきます。
先日と同じような遊びをしながら帰っていたのでしょう。
また明日!と言って別れたけれどあなたの事が気になって振り向く主人公。

雨は降っていない、そして傘を差すことが二人の間のルールであるなら主人公と別れた後まで傘を差している必要は無いんですよね。
にも関わらずあなたは律儀に主人公とのルールを守ってゲームを続行している。
なんとなく
「まだ一緒に遊びたいよ、一緒にいてほしいよ。」
というあなたの声が聞こえてくるような気がします。


「あなたの あの笑顔が あなたの心を隠していた
あの傘の向こう側は きっとそうだ 信号は赤」

この歌詞の前に一瞬の静寂があるのですが、多分別れた後も傘を差しながら帰るあなたを見た主人公がハッとする様子を表しているのかなと。

「あの傘の向こう側で君は僕に心の中を見られることを待っているのだ。きっとそうだ。行かなきゃ。」
と思い主人公はあなたに向かって走り出します。

笑顔もあなたの本心を隠すものという意味で傘とイコールかもしれないですね。


「あなたの その呼吸が あなたを何度責めたでしょう
それでも続く今日を 笑う前に 抱きしめて欲しい
抱きしめに行こう」

辛い出来事があってから何度もあなたは自分を責め続けました。そして苦しい中で今日も生きています。
それを理解した主人公は、苦しみを隠す前に今日あなたが生きている事を大事にしてほしいと考えます。
そして主人公自身もあなたを抱きしめるために走ります。


「車屋の前の交差点で ショーウィンドウに映る
相合傘ひとりぼっち それを抱きしめた
自分で抱きしめた」

最後は誰が抱きしめているのかで解釈が分かれると思いますが、私は主人公があなたを抱きしめた路線で行きたいです。

傘をわざわざ相合傘と呼んでいるのはあなたの心境の変化を表しているのかなと思いました。

今までのあなたは無理に笑顔を作ったり、傘の内側に隠れたりして本心を見せてはくれませんでした。(無意識ではポロリと見せてましたが)

しかし相合傘というのは二人で入る事が前提になっています。
つまりあなたが主人公の居場所を傘の中に作る(主人公を受け入れ心を見せる)という事なのかなと。

相合傘の中ひとりぼっちで主人公が来てくれることを待つあなたと、それに気づき心ごとあなたを抱きしめる主人公、というところで歌詞は終わりを迎えます。


ハッピーエンドかと言われるとまだまだ二人には試練が待っていそうな気もしますが、少しずつ前進している二人だからきっと大丈夫だと思えます。


この曲は爽やかなメロディーと切なくも素敵な歌詞が最高だと思うのでぜひ色んな方に聴いて頂きたいですね。
ではこの辺りで終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。


COSMONAUT

COSMONAUT