BUMP OF CHICKENとめうめう

BUMP OF CHICKEN 歌詞解釈とか創作、趣味についてのブログです。

BUMP OF CHICKEN 乗車権 歌詞解釈

今回は「ユグドラシル」から「乗車権」の解釈をしたいと思います。

ちょっとどうでもいい話をすると、私が聴いたバンプアルバムの順番って
ジュピター→カップリング曲集→コスモ→ベストアルバム→リビデ→オービタル→ユグドラ→RAY→FLAME VEIN→Butterflies
なんですよね。
なのでユグドラシルを聴く頃には大分バンプがどういう曲を歌うバンドか分かってたつもりだったんですが、乗車権を聴いてみて
「基央さんがシャウトしてる、すごい!!」
と衝撃を受けたことを覚えています。

前置きが長くなりましたが解釈の方していきたいと思います。




「排気ガスを吐いて 腹ぺこのバスが来る
夢の先に連れてってくれんだ どうだろう
強く望む事を 書いた紙があれば
それがそのまま 乗車券として 使えるらしい 使えるらしいんだ」

なんだか少し不気味な感じで曲が始まります。
もうなんかこのバスから嫌な予感しかしない(笑)

最初バスには誰も乗っていません。
主人公たちのいる場所が最初の停留所なんですかね。
夢の先に連れていってくれるこのバスは強く望むことを書くとそれが乗車券となり行きたい場所まで連れて行ってくれるようです。


「我先に群がり 行列出来上がり
ギラギラの目 友達も皆 どうしよう
強く望む事か 適当でもいいか
取り敢えずは 乗車券の替わり」

周りの人間は自分の夢を叶えられるバスが来た!と喜び勇んで、というより欲望を剥き出しにしてバスへ乗り込もうとします。

主人公自身は特に叶えたいと切望している夢がある訳では無いようですが、周りに流されてとりあえず乗っとくかみたいなノリで乗車を決意します。
そして適当に望むことを書いてしまうのですがこれが後々大変なことになるみたいです。


「どけ そこどけ 乗り遅れるだろう 人数制限何人だ
嘘だろう コレを逃したら いつになる
あぁ ちょっと待ってくれ 俺を先に乗せてくれ
なぁ どうせ 大層な望みでも無いだろう」

さっきまで特に乗りたいとも思っていなかったけれど、いざ乗ると決めたら是が非でも乗りたくなってきたって感じですかね。もしかしてこのバスに乗れば何か見つけられるのかも、と考えたのかも知れません。

乗り遅れたらどうしよう、何人まで乗れるんだ、この後にバスは来るのか、切羽詰まった感じが出てますね。

自分だって適当に望みを書いたのに周りの人の夢に対してどうせ大層な望みでも無いだろうと言っているのは少し笑ってしまいましたが。


「鈍い音で吠えて 食い過ぎたバスが出る
泣き落としで 順番譲る馬鹿がいた
運ばれて数時間 乗り継ぎがあるらしい
次の便は 夜が来たら 出るらしい」

定員を超えるくらい人が乗っているという事でしょうか。
何はともあれバスは夢の先に向けて走り出します。

「泣き落としで 順番譲る馬鹿がいた」というフレーズがあります。
この泣き落としがどの場面で誰によって使われたのか、ここで解釈が分かれそうな気がしますが、今回はこのバスに乗る順番を譲ってもらうために主人公が泣き落としを使ったと解釈しました。(一番自然な気もするので)

数時間バスに乗っていると乗り継ぎの案内が流れます。ここで次の便に乗るかどうか、引き返すならここしかないって感じですね。


「あれ ここに無い でも こっちにも無い なんで乗車券が無い
予定外 見付からないまま 日が落ちる
あぁ ちょっと待ってくれ 俺もそれに乗せてくれ
おい そこの空席に 鞄 置いてんじゃねぇ」

しばらくしてから主人公はきちんと持って乗り込んだはずの乗車券が見当たらない事に気付きます。
この部分は適当に書いた望みだったので、しばらくしたら自分が何になりたいと書いたのか忘れてしまったと解釈しました。

結局乗車券が見つからないまま日が暮れてしまい乗り継ぎのバスがやって来ます。
乗車券は無いけれどここまで来たら戻れない(本当はまだ引き返せる)中途半端なところで立ち止まるのが怖い。と思った主人公はバスに乗り込もうとします。

空席にカバン置いてんじゃねぇと言っている辺り、このバスにもそれなりに人が乗っていそうだなと。


「違う これじゃない これでもない 違う
人間証明書が無い 予定外 俺が居ない
やばい 忍び込め」

人間証明書とは何かについてですが乗車券と同一だと考えてもいいかなと思いました。
夢や望みがある=人生に意義がある、人間として認められるみたいな感じでしょうか。

乗車権を得られるのは本当にやりたい事がある自分を持った人間だけ。主人公にはそれが無いのでこっそり忍び込むという手立てを取ります。


「あぁ ちょっと待ってくれ やはりココで降ろしてくれ
なぁ こんな人生は 望んじゃいない 望んでたのは・・・
あぁ 見逃してくれ 解らないまま乗ってたんだ
俺一人 降ろす為 止まってくれる筈もねえ」

しかし夢の先に近づくにつれて様子が変わっていきます。
あれ、なんか違うぞ、ちょっと待ってくれ、俺はこんな人生を送りたかったんじゃない。これがどういうものか分からずに乗ってたんだ。見逃してくれ、降ろしてくれ。
バスから降りたくてしかたない主人公ですが自分一人のために止まってくれるわけが無いと若干諦めているようです。


「強く望む事が 欲しいと望んだよ
夢の先なんて見たくもないから」

強く望むこと=夢が欲しいと望んだよ。

この後の最後の一文は正直どういう意味なのか分からないっていう⋯。

ここの解釈をする前に一つ。
私はバス=他人が敷いてくれたレールというイメージを持ちました。
言う通りに動けば夢の先へと連れていってくれる、それこそ夢のような代物ですね。

この考えを踏まえた上で以降の歌詞を解釈していきましょう。

結構ネガティブな考え方になってしまうんですが自分の力ではなく誰かの力を使って「夢を叶えた後の世界」まで行った人間はどうなるのかなと思った時に、夢が叶っちゃったからもう望むことがなくなってしまった(人生に意義が無くなってしまった)って感じになるのかなと。

そうなると後は夢の無くなった世界で生きていくしかないのかなと。
もちろん新しい夢を見つける人もいると思います。
けれど一度楽を覚えた(他人の力を使って夢を叶えた)人間がそれ以降自力で這いつくばってでも夢を叶えてやる!とはならないような気がします。

強く望むことのない人には人間証明書がない=人間として認められない、と言った感じでただ生きているだけの物になってしまうんですかね。

主人公はバスに乗るまでその事が分からなかったわけですが、バスに乗っているうちに気付いてしまったのかなと。

今は人間証明書のない自分だけれど適当に書いた夢の先に行けば華々しい人生が待っているんじゃないかと少し期待していた。
なのに夢の先に行ったって結局今と同じ、人生に意義のない自分のままじゃないか、待ってくれ、降ろしてくれ、僕が行きたかったのはこんな未来じゃない!みたいな感じですかね。

だからこそ主人公は強く望むことが欲しいと望んだのではないでしょうか。
強く望むことがある未来=自分の人生に意義がある未来、人間として認められる未来という事ですから。
そして夢の先=人生に意義のなくなった未来なんて見たくないよと言っているのかなと思いました。


うーん、難しいですね。特に一番最後!
ここの解釈は色んな方の意見を聞いてみたいなと思いました。
あとはバスが何を表しているのかっていうのも人それぞれな気がするのでここも聞いてみたいところです。
そして主人公は結局どうなったのか、気になる所です。
こんなに多くの謎を残して終わってもいいのか?って感じですが今回はこの辺りで。
ありがとうございました!




ユグドラシル

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